【歯周病の治療方法】
「歯周病を治したいからうがい薬を頑張っている」
「いい歯磨き粉を使って歯周病予防している」
このように考えている方はいらっしゃいませんか。
その予防法、本当に効果があるのでしょうか。テレビCMの広告に騙されないでください。
そこで今回は、本当に効果がある【歯周病の治療方法】というテーマで解説していきます。
歯周病の治療方法
歯周病は不治の病と思われがちですが、きちんとケアすれば歯周病は予防できます。
ただし、正しい知識を持っていることが大切。
間違ったことをやっていても無駄にコストをかけることにもなってしまいます。
歯周病は細菌による感染症なので「汚れを取り除く治療」が主体となります。歯周病の原因となるプラークや歯石を取り除く「歯周基本治療」という処置を行います。
これは、患者さんご自身でプラークを除去する「歯磨き」と、歯科医院で行う「歯石取り」のこと。
これらが両方できて歯周病は予防できるのです。
また、歯周病を悪化させるのはプラークだけではなく、タバコ、糖尿病などの全身疾患の影響もあります。歯周基本治療を中心に、リスクになる原因をひとつずつ減らしていくのが大切です。歯周病は軽度、中等度、重度と分けられますが、どれにも必要な治療です。
もしこれらだけで改善してくるようなら、次はメインテナンスを継続することが重要です。歯周病は完治しない病気で、またプラークや歯石が蓄積したら歯周病になります。継続してケアし続けることが求められるのです。
もし、基本歯周治療だけで治ってこない場合は「歯周外科処置」を行います。歯周外科処置は歯茎のなかに隠れている歯石を取り除く、溶けた骨がガタガタしている場合になだらかに整える、根面も細菌が付着しないようになめらかにする、といったことをします。
もし骨が溶けてしまっている場合はGTR法やエムドゲイン法と呼ばれる「歯周組織再生療法」などを行うこともあります。
外科的な処置を行う場合は、まずご自身でのブラッシングがしっかりできていること、メインテナンスを継続できることが条件です。
歯周病の治療の流れ
歯医者さんへ行って治療する流れは下記の通りです。
①検査をする
歯の動揺度、歯周ポケット検査、出血の有無、プラークの付着具合、レントゲン撮影で骨や歯・歯石の観察、かみ合わせのチェック、唾液の状態、病気の既往歴や家族の状態・薬やアレルギーの有無などの問診を行います。
②診断をする
現在の状況を診断します。歯茎が炎症している歯肉炎、軽度の歯周炎(歯周ポケットの深さが4~5mm)、中等度の歯周炎(歯周ポケットの深さが5~6mm)、重度の歯周炎(歯周ポケットの深さが7mm以上)か、全顎的なのか、局所的なのかをみていきます。
③治療をする
ブラッシング指導を受けてプラークのコントロールをする。
手用のスケーラーや超音波スケーラーでプラークや歯石を取り除く。
専用の器具で根面をきれいにする。
喫煙や生活習慣の予防、口呼吸などを改善する。
歯周病を悪化させる原因を取り除く(悪さをしそうな歯の抜歯や不良の被せ物を治療し直すなど)。
④再検査する
状態を再確認してどれぐらい良くなったのか、変わりないのか、悪さしていないかなど今後の予定を考えながら検査します。
⑤問題なければメインテナンス
状態によりますが、問題なければ3ヶ月に一度の定期検診をします。歯磨き状況が悪かったり、悪さしそうな歯があったりするときには1、2ヶ月で来院していただくこともあります。
⑥問題があれば外科処置
フラップ手術、GTR、エムドゲイン法、歯周ポケット掻爬術など。
【関連リンク】
https://www.moriyama-do.com/general/
【執筆・監修者】
森山 貴
森山デンタルオフィス新松戸 おとなこども歯科・矯正歯科 院長
東北大学歯学部 卒業
日本顎咬合学会 認定医
国際口腔インプラント学会 認定医