【歯周炎の原因と対処法を新松戸の歯医者が解説】
前回のブログでは、歯肉炎と歯周炎の違いについて解説しましたが、
今回は「歯周炎」に焦点を当てて、原因や対処法について掘り下げていきたいと思います。
歯周炎の原因について
歯周炎は、歯茎だけでなく、歯根膜(しこんまく)や歯槽骨(しそうこつ)にまで炎症反応が広がった歯周病で、
歯肉炎よりも重症度が高いです。根本的な原因は歯肉炎と同様、歯周病菌への感染です。
歯垢や歯石が堆積して、そこを住処とした歯周病菌が繁殖し、
歯茎や歯槽骨といった歯周組織への攻撃を強めていきます。その際、重要なポイントとなるのが「歯周ポケット」です。
◎歯周ポケットとは?
歯周ポケットとは、歯と歯茎の境目に存在している溝で、健康な人でも1~2mmの深さがあります。
歯周病を発症すると、その深さが4mm以上となり、病原性が増していきます。
◎歯周ポケットが深くなるとどうなる?
歯周ポケットが深くなると、第一に汚れを取り除けなくなります。市販の歯ブラシによるブラッシングでは、
歯周ポケット内の汚れを落とすことができず、歯垢・歯石が常時、たまるようになります。
すると、歯茎の炎症反応が強まり、歯周ポケットがさらに深くなるという悪循環へと入っていくのです。
また、厄介なことに歯周ポケットの中は酸素が薄いので、
酸素を嫌う「嫌気性細菌」の歯周病菌にとっては最高の環境となります。その結果、歯周炎の症状が急速に進行していきます。
歯周炎の治療法について
歯周炎の治療は、重症度によって大きく異なります。
【軽度の歯周炎】
歯肉炎から移行して間もない歯周炎は、歯周組織の破壊がまだ進んでいません。
歯肉炎と同じように、クリーニング、スケーリング・ルートプレーニング(歯石除去)、ブラッシング指導を実施することで、
症状の改善が見込めます。歯肉炎の治療と異なる点は、歯根面の歯石を取り除く「ルートプレーニング」の重要性が増す点です。
ルートプレーニングは、出血や痛みを伴うこともある処置で、事前に局所麻酔を施します。
患者さまの心身にかかる負担は少し多くなるものの、頑張って治療を受けることで、歯周ポケットを浅くできます。
【中等度から重度の歯周炎】
6mm以上、場合によっては10mmを超える歯周ポケットが形成され、
顎の骨の破壊も進んでしまうと、歯周基本治療では症状の改善は見込めません。
そうした中等度から重度の歯周炎では、「歯周外科治療」を実施します。
歯周外科治療とは?
歯周外科治療とは、文字通り外科的な処置で歯周病を治す方法です。
具体的には「歯周組織再生療法」「切除療法」「組織付着療法」「歯周形成手術」の4種類があり、
それぞれのケースで最善と言える方法を選択します。
この中で最もポピュラーなのは、歯茎をメスで切開して歯根面の歯石を取り除く「フラップ手術」です。
GBR法のように、歯周炎で失われた骨を再生させる方法も広く実施されている歯周外科治療のひとつといえるでしょう。
まとめ
今回は、歯周炎の原因と対処法について、松戸市新松戸の森山デンタルオフィス・矯正歯科が解説しました。
歯周炎は歯肉炎が重症化した歯周病であり、クリーニングやスケーリングだけでは治らないことも多いです。
記事の後半でご紹介した歯周外科治療が必要になると、患者さまの心身にかかる負担もかなり大きくなることから、
できければ軽度の段階で治療を開始するようにしましょう。
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【執筆・監修者】
森山 貴
森山デンタルオフィス新松戸 おとなこども歯科・矯正歯科 院長
東北大学歯学部 卒業
日本顎咬合学会 認定医
国際口腔インプラント学会 認定医