【ナイトガードのお手入れについて】
歯ぎしり用マウスピースのお手入れを怠るとどうなる?
歯医者さんで最初にマウスピースを作った方ならお手入れ方法の説明はされていると思いますが、
それでも迷うことはありますよね。
マウスピースの素材も様々です。
作って間もないマウスピースの日常のお手入れは、朝起きたときに簡単に水ですすぐだけで問題ないのですが、
使っているうちに黄ばんできたり、白く濁ったように変色したりすることがあります。
これは口内とマウスピースの両方に原因が考えられますが、
私たちの口の中には常に350~700種類もの菌が存在していることをご存知でしたか?
ぞっとしてしまう数字ですが、さらにこの菌は当然マウスピースにも付着します。
この菌がマウスピースの黄ばみや臭いを発生させているんですよ。
しかもマウスピースにも歯石がつくのです!
唾液の成分中のカルシウムやリンなどのミネラル成分によって歯石が作られ付着します。
そのせいで、白くカピカピとした汚れがついてしまうのです。
マウスピースは金属製の入れ歯とは違って、歯石や汚れが表面に付きやすいので、さらに注意が必要なのです。
こういった状態のマウスピースを使い続けると歯周病や虫歯になるリスクが高まります。
歯ぎしりを改善できても、ほかのトラブルを引き起こしては意味がないですよね。
歯ぎしり用マウスピースのお手入れ方法!正しい臭い対策や洗浄方法は?
マウスピースにはハードタイプとソフトタイプの2種類があります。
ハードタイプというのは重度の歯ぎしりに悩む方が使うことが多く、手で曲げようとしても曲がらないものです。
一方、ソフトタイプはシリコンなどの素材でできており手で簡単に曲げることができます。
マウスピースに慣れていない方やハードタイプに違和感がある方が使っていますね。
どちらも共通して言えることは、ゴシゴシこすってはいけない!ということです。
市販の歯磨き粉を使って歯ブラシでこすってしまう方がいますが、それはNG!
歯磨き粉に含まれる研磨剤とブラシがマウスピースの表面を傷つけて、細菌の繁殖場所を作っていることになります!
こういった細かい傷に細菌がたまり、臭いの発生原因になるのです。
研磨剤を含んでいないのでマウスウォッシュでも手入れはできると言われていますが、
臭い対策の観点からいうと、マウスウォッシュを使ったとしても歯ブラシでも磨くことはやめたほうがいいでしょう。
やはりマウスピースのお手入れには、臭い対策と洗浄が同時にできる洗浄液を使うことをオススメします!
入れ歯用の洗浄液でもOKですが、マウスピースを使用している年齢層は
若い方が多いので、きっと抵抗があるという方が多いですよね。
マウスピース用の洗浄液もお手頃なお値段で手に入りますよ。
こちらはまんべんなくマウスピースに塗って浸透させたあとは、水につけて、洗い流すだけです。
気になる汚れなどがある場合には、ガーゼなどの柔らかい素材の布で
磨いてもOKですよ!
言わずと知れたポリデントのマウスピース洗浄液です!
矯正用のリテーナーにも使えますよ。
使い方はとっても簡単!水にこの錠剤とマウスピースを入れるだけ。
このくらい簡単なお手入れであれば、毎日でも苦になりませんよね。
こういった洗浄液でケアするときはもちろんですが、
普段簡単にすすぐだけの場合でも、水かぬるま湯を使うようにしましょう。
殺菌や消毒の目的で熱湯に漬ける方がいますが
とくにソフトタイプだと変形しやすいので、控えましょう。
せっかく自分の歯形にあったものでも、違和感が出てしまいます。
歯ぎしり用マウスピースを長持ちさせるためのお手入れ方法!
正しいお手入れをして清潔に保つことは大切ですが、
マウスピースをつけていないときの保管も長持ちさせるには重要なポイントです。
ハードタイプとソフトタイプでは保管方法が逆になるので、注意ですよ。
まずハードタイプのマウスピースは吸水性がある素材なので、乾燥に弱いです。
乾燥すると変形や、割れる原因になってしまいます。
使っていないときには水に漬けておくことで、劣化を防げますよ。
持ち歩かなくてはいけない場合には、濡れたティッシュや布でくるんでおけば大丈夫です!
吸水性があるということは、マウスピースを装着したまま
お茶やコーヒーを飲んだりすると色がついてしまうので、飲食する場合には絶対にはずしましょうね。
そしてソフトタイプの場合は、外した後はよくすすいで乾燥させておくことが大切です。
しっかり水分をふき取ってから、通気性の良いケースなどにしまっておきましょう。
季節によってはカビが発生することもあります。
完全に水分が乾いていない状態のまま放置し、夜そのマウスピースを付けるということは
大量の雑菌を口に入れることと同じです。
直接口に入れるものなので、衛生状態には細心の注意を払いましょう!
自宅で保管する場合は通気性のいい場所に置いておき、持ち歩きをする場合には、ケースを使用しましょう。
しかしながら、マウスピースは消耗品の一種です。
歯ぎしりの度合いにもよりますが、ひどい場合にはマウスピースに穴が空いてしまうこともあるようですよ。
もちろんそこまできたら、買い換えることになりますがそうでなくても、
定期的にマウスピースの消耗具合をチェックする必要があります。
歯の定期健診などの際に、マウスピースをもって行き磨り減り具合などを見てもらうといいでしょう。
合わなくなったマウスピースを使うことで噛み合わせが偏ったり、肩こりなどの症状が現れたりすることがあるので、
長期に亘って使っていなかったマウスピースを使い始めることも控えた方がいいでしょう。
マウスピースのお手入れと保管はきちんとしましょう!
【関連リンク】
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【執筆・監修者】
森山 貴
森山デンタルオフィス新松戸 おとなこども歯科・矯正歯科 院長
東北大学歯学部 卒業
日本顎咬合学会 認定医
国際口腔インプラント学会 認定医