【市販の歯磨き粉と歯科用歯磨き粉の違いとは?】
「歯磨剤のペースト・ジェルの違い」と「ジェルの効果的な使い方」
う蝕予防・歯周病ケア製品にはペースト・ジェル・フォーム・洗口液など、
さまざまなタイプの製品があります。それぞれに特徴があり、効果的な使い方も異なります。
メーカーによって多少の差はありますが、ペーストとジェルの主な違いは表のとおりです。
最大の違いは、ジェルは口腔内にフッ素がより滞留しやすいという特徴があることです。
ペーストは歯磨剤にフッ素、発泡剤、清掃剤(研磨剤)が入っているので、
う蝕予防を目的とした全ての方に使えます。
一方、ジェルの歯磨剤は余分な発泡剤がほとんど入っていません。
また、清掃剤も無配合にすることでフッ素をなるべく長く口腔内に残すような設計になっています。
そのため、ジェルはペーストよりもう蝕リスクの高い方に向いている歯磨剤です。
ジェルの効果的な使い方は「就寝前に」使うこと。
本来は1日2回以上使うのが理想的ですが、時間のない朝や昼などは無理に使用する必要はありません。
メーカーの方に説明をしていただいた時にも、「フッ素は長期間使用することで効果が得られるものです。
1日1回でも構わないので就寝前のジェルの使用をお勧めしています」とおっしゃっていました。
ジェルは歯にピッタリと密着するので、フッ素が口腔内にしっかりと留まります。
さらに寝ている間はだ液の量も少なくなるため、
就寝前に使うことで睡眠中にしっかりフッ素ケアができるというわけですね。
ジェルの使い方はペーストと似ていますが、
しっかりブラッシングをするのではなく『歯全体に塗布するように』ブラッシングをします。
また、泡立ちが少ないので、洗口をせずに唾液と一緒に吐き出すだけでも大丈夫なのが特徴です。
ペーストタイプは発泡剤と清掃剤が入っていて、まずしっかり汚れを落とします。
例えるならシャンプーの役割です。
ジェルタイプは汚れが落ちたキレイな歯をフッ素でコーティングします。
こちらはリンスの役割です。
特に寝る前に使ってもらうと、睡眠中もフッ素ケアができるので効果的です。
ジェルには発泡剤がほとんど含まれず、清掃剤は無配合。
さらに、歯にピッタリと密着するので、長時間フッ素を口腔内に留めることが可能です。
フッ素ケアは長期間続けてもらうことが大切なので、1日1回就寝前にジェルを使うだけでもOKです。
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【執筆・監修者】
森山 貴
森山デンタルオフィス新松戸 おとなこども歯科・矯正歯科 院長
東北大学歯学部 卒業
日本顎咬合学会 認定医
国際口腔インプラント学会 認定医