【高齢者に多いカンジダ性口内炎とは】
高齢者の主なお口の中のトラブルといえば根のむし歯・歯周病、口腔乾燥が挙げられます。
その他にも、「カンジダ性口内炎」は食欲を低下させるうえ、痛みも伴い生活の一部に支障をきたします。
今回は高齢者に多い「カンジダ性口内炎」にフォーカスして原因から予防法までをご紹介します。
そもそもカンジダ性口内炎とは?
カンジダ性口内炎は口腔カンジダ症とも呼ばれ、口の中でカンジダという真菌(カビ)が
過剰に増えて発症する口内炎です。カンジダ性口内炎には、大きく分けて3つのタイプがあります。
1.偽膜性カンジダ症
最も多く見られるタイプ。粘膜上に点状、線状、斑紋状の白苔が粘膜表面に付着しているのが特徴。
白苔はガーゼで拭うことが可能で、粘膜面は炎症を起こしていることが多い。
2.萎縮性カンジダ症(紅斑性カンジダ症)
白苔はなく、粘膜表面が赤くなるのが特徴で、偽膜性カンジダ症よりも痛みが強いのが特徴。
3.肥厚性カンジダ症
病変が慢性化した状態で白苔は剥離しにくく、粘膜の表面が厚くなっているのが特徴。
カンジダ性口内炎ができてしまう原因
カンジダ菌はもとから口の中に存在する常在菌ですが、糖尿病などの疾患を持っている方、
乳幼児、高齢者、妊婦など免疫力が弱くなっている方に発症することがあります。
ステロイド剤や抗生物質を長期間にわたって服用している影響で常在菌のバランスが崩れ、
カンジダ菌が異常に繁殖することで発症する場合もあります。
カンジダ性口内炎の場合、口の中の乾燥が原因の一つとして挙げられます。
唾液には口腔粘膜の保護や抗菌の働きがあるため、
唾液の分泌が減って口腔内が乾燥すると菌が繁殖しやすく、口内炎になる確率が上がります。
カンジダ性口内炎を予防する方法
カンジダ性口内炎を予防するには、口腔内を清潔に保つことが大切です。
義歯を使っている方であれば、口腔内だけではなく義歯もしっかり洗浄することが必要です。
いつものケアに加え、粘膜ケア・義歯ケアが欠かせません。
ここでは、定番の口腔ケアにプラスアルファで簡単に実践できる方法をご紹介します。
口腔粘膜ケアブラシを使う
義歯を使っている方の場合、義歯で覆われている粘膜は自浄作用が働きにくく、菌が繁殖しやすい環境になりがちです。
そこで活用したいのが、ガーゼやスポンジブラシ・粘膜ケア用の歯ブラシです。
粘膜ケア用の歯ブラシは広い粘膜面を効率よく清掃できる大きいヘッドと、粘膜にもやさしい柔らかい毛先を持つのが特徴です。
義歯ブラシを使う
義歯を日々洗浄するのはもちろんのこと、毎食後の手入れで汚れをためないことも大切です。
義歯専用に作られたブラシは通常の歯ブラシと異なり、ヘッドの広い面積に植毛がされており、
義歯を効果的に磨けます。義歯洗浄剤に浸ける前のブラッシングも効果的です。
義歯洗浄剤を使う
義歯は毎日使うものだからこそ、きちんとしたケアが欠かせません。
義歯は毎日外して義歯洗浄剤に浸けます。
義歯洗浄剤に含まれる活性酵素やたんぱく質分解酵素などのパワーで除菌、消臭・着色汚れを除去できます。
まとめ
高齢者におけるカンジダ性口内炎の原因の一つとして義歯があります。
予防するには、「口腔内のケア」と「義歯のケア」の両方が欠かせません。
義歯は毎日使うものだからこそ、しっかりしたケアが必要です。
【関連リンク】
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【執筆・監修者】
森山 貴
森山デンタルオフィス新松戸 おとなこども歯科・矯正歯科 院長
東北大学歯学部 卒業
日本顎咬合学会 認定医
国際口腔インプラント学会 認定医